『静岡県バドミントン協会における倫理に関するガイドライン』
平成26年4月1日
〔趣旨〕
従前のスポーツ振興法によるスポーツの普及・発展から 50 年の時を経た今、社会の移り 変わりとともにスポーツを行う目的の多様化に伴い、スポーツをめぐる状況は大きな変化 を遂げ、スポーツに関する基本理念などスポーツの意義・役割に関する施策の基本的事項 についてより明確化の声が上がるようになった。
そんななか、国民の心身の健全な発達、明るく豊かな国民生活の形成、活力ある社会の 実現、国際社会との調和ある発展に寄与すべくスポーツの役割に関して必要な施策を総合 的かつ計画的に推進し実行することを目的に2011年6月スポーツ基本法が制定された。
本基本法は、「スポーツは世界共通の人類の文化である」との前文から始まり、スポーツ の価値や意義、スポーツの果たす役割の重要性が示されたのであるが、取り分け、我々ス ポーツ団体における役割、責務としては次のように規定されている。
スポーツ団体は、スポーツの普及及び競技水準の向上を果たすべき重要な役割に鑑み、 基本理念に則り、スポーツを行なう者の権利、利益の保護、心身の健康の保持、増進及び 安全の確保に配慮しつつ、スポーツの推進に主体的に取り組むよう努めるものとする。ス ポーツ団体は、スポーツの振興のための事業を適正に行うためにその運営の透明性の確保 を図るとともに、その事業活動に関し自らが遵守すべく基準を作成するよう努めるものと する。スポーツ団体は、スポーツに関する紛争について、迅速かつ適正な解決に努めるも のとする。
以上、本基本法はスポーツ振興を国家戦略として位置付け、スポーツ立国の実現を目指 し、それに関わるスポーツ団体はその推進に主体的に取り組むよう求めているのである。
因みに、本協会加盟の団体組織である公益財団法人日本バドミントン協会における方針、 基本施策はバドミントンの普及・振興を図る上で高い公益性と社会性を兼ね備えた団体組 織としてその使命を担うが、それは当基本法の掲げる方針、施策と符合しその責務を全う するに相応しいものである。
しかしながら、近年、このスポーツ団体組織において、人道的問題、或いは補助金など の不適正処理など訴訟にも及ぶ問題が発生し大きな社会問題化している事態は憂えるべき ことであり、スポーツ活動の信頼を著しく阻害するものである。
スポーツ活動の推進は、スポーツ憲章に定められたスポーツ規範に基づき行われるべき ものであり公明正大、かつ健全性が保たれるものでなければならず、そのための組織体制 の整備と運営には十分な留意が必要不可欠であることから本静岡県バドミントン協会とし てここに改めて倫理に関する諸事項の整備を図ることとする。
〔倫理に関する整備4事項〕
1.倫理に関する規程の整備(倫理規程の作成、改定等)
2.倫理委員会の設置(委員会規程の整備)
3.不祥事防止のための意識啓発活動(身体的・精神的暴力行為やセクハラ・不適切な経 理処理等の防止策の策定(講習会・研修会の開催))
4.不祥事発生後の処理(発生事案の重要性によっては、法的機関の手に委ねるものとし 中央団体(ニチバ)等々関係組織への速やかな報告を行う。)
≪倫理的問題への対処として≫
T.人道的行為に起因する事項
1.身体的・精神的暴力行為等について
@組織の運営、又は指導上、意見の相違が生じた場合は互いの人格を尊重し暴力行為 と取られるような行為には留意する。
A問題解決の手段として、暴力行為(直接暴力・脅迫・威圧)は厳に禁ずる。
B差別的・憎悪的表現行為(ヘイトスピーチ)は厳に禁ずる。
2.身体的・精神的ハラスメントについて
@容易に性的言動、表現を行うことは厳に慎むこと。
A親しみの言動、表現であっても個人による受け止め方の違いを認識すること。
B本人に悪意はなくても、相手が不快に感じた場合はセクハラになることを認識す ること。
C不快に感じた場合には、無視せず誤解を生まないために相手に対してはっきり不 快を表す拒絶の態度をとること。
3.役員・監督・コーチ・審判員等の指導的立場にある者並びに競技者等の関係の在り 方について
1.役職、指導者と選手、先輩と後輩等の従属的関係を利用し立場の弱い者への人道 的に反する行動や強要など権限の範囲を越えた精神的苦痛を与えないこと。
2.プライバシーの問題については十分配慮すること。 4.アンチ・ドーピング及び薬物乱用防止について 本会、登録競技者に対するドーピングに関する知識などの啓発活動を行う。
U.不適切な経理処理に起因する事項
1.経理処理について 本会の経費は、会員による登録費及び賛助会費を以って運営する組織団体であること を認識し、協会規約に基づく基準(経理処理)を行うとともに監事による監査体制と 総会での事業報告及び収支決算に関する承認を得ることを確立し実行すること。
@補助金などの取り扱いについては、補助先・助成先に関わる目的、経理要項等を 遵守の上、適正な経理処理を行い決して他への目的、流用をしてはならない。
A不法、又は不正行為・不祥事等を未然に防ぐための内部牽制を組織化し、少数の 担当者に任せきりにしないこと。チェック体制強化と定期的なチェック体制をと ることが望ましい。(場合によっては外部によるチェック体制をとる)
2.不正行為について
@組織内外の金銭の横領
A不適切な報酬、手当、手数料、接待、供応等
B大会誘致及び組織内外における施設、設備用具等の購入に関わる贈収賄行為
C組織内における不適切な指導・監査
V.各種大会における代表選手・役員の選考・派遣等に関する事項
1.代表選手の選考に当たっては選考基準を明確に定め選考結果に疑惑を抱かせる ことのないような公平かつ透明性ある選考を行うこと。質問、抗議に際しては 速やかに適切な処理を行うこと。
2.代表選手・役員の派遣に当たっては、経費、安全への担保、所属先の理解、承 諾を得るよう努めること。
W.その他、一般社会人としての社会規範に関する事項
本ガイドラインに示す対象者は、特に競技会等スポーツ活動に関わる時以外の日常生 活に於いても社会規範としての慣習、道徳、法律を強く意識・励行し、社会秩序の維 持に努めるものとする。